CEFRの共通参照枠、SJスタンダード、目標設定ツール・Can-doの手引き(厚生労働省)と、CEFRの理念に基づく日本語教育のための参照枠は既に多く存在します。しかし、記述ば網羅的であるために、全容を理解して活用するには高い専門性が求められます。
SJ日本語参照枠は、だれでも利用しやすいように記述をコンパクトにしました。そのプロセスで以下の資料を参考にしました。
これは、公益社団法人国際日本語普及協会の会員によるプロジェクトで、2008年に開発したものです。当時、ビジネスパーソンや外交官等に対する日本語教育で、CEFRの参照枠により目標設定や評価をしていました。しかし、実際の職務・業務では、言語技能を組み合わせて用いられ、別々に評価することは合理的ではありませんでした。そこで、ビジネス日本語スキルとして、7種類(「口頭表現」「情報収集」「情報交換」「合意形成」「文書作成」「関係構築」「翻訳通訳」)を挙げ、それぞれのレベルで日本語を使ってできることを記述しました。赤字は、日本語で扱える話題の範囲、扱う方法、扱う状況(相手の違い)の段階制をかき分けた表現です。
AJALTビジネス日本語評価基準作成プロジェクト(2008)「ビジネス日本語評価基準作成の試み」AJALT,31,36-39
これは、日本語教育学会誌への寄稿論文(品田 2020)で、就労場面で可能な行動をコンパクトに記述したものです。記述をコンパクトにするために、共通参照レベルのそれぞれの特徴(福島 2011)の記述を参考にしました。各レベルで可能な行動は、各レベルの特徴から、日本語学習者が日本語を段階的に向上させていく上で、マイルストーンとなるパフォーマンスを記述しました。
品田潤子(2020)「日本語教育の現場で求められる対応力 ―就労者の現場を中心に―」『日本語教育』181,55[A1] -57
福島青史(2011)「社会参加のための日本語教育とその課題 ―EDC,CEFR,日本語能力試験の比較検討から―」『早稲田日本語教育学』10,1-10.
これは、就労場面で可能な行動を言語教育の専門家以外にも理解しやすいように、表現を工夫したものです。さらに、業種別に「日本語でできること」を例示しました。各レベルの「日本語でできること」は、目標設定、パフォーマンスによる評価の指標として使うことができます。また、カリキュラムを作成するための目安にもなります。
BJ日本語参照枠作成プロジェクト(BPC研修サービス 2024〜 検討継続中)
BPC研修サービス
Business Process Communication Training Service
https://www.bpcts.org/
代表:品田潤子
Office:〒105-0014 東京都港区芝3-16-1 芝鈴木ビル202
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