SJ-NETについて

SJは、就労者(S)に対する日本語教育(J)の略ですが、Sは「社会(の)」(英語でSocial)のSでもあります。これから日本全国の職場で、地域社会で、多様な背景を持つ人々が働き、生活を始めます。そこに必要なのは、コミュニケーションの手段です。

SJ-NETは、日本語を手段として、多様な人々が話し合い、理解し合えるようになるための教材と情報を提供するウェブサイトです。

 

日本で就労する外国人が、外国語である日本語を使えるようになるのは大変なことです。日本人も外国語を学んだり、日本語学習者にわかりやすい日本語を話す努力が必要です。AIや翻訳機器もコミュニケーションに有効な手段です。そして、一番大切なのは、実際にコミュニケーションを重ねていくことです。いろいろな方法を駆使して、考えや気持ちを伝え合える社会作りのために、SJ-NETがお役に立てば幸いです。

 

SJ-NETは、就労分野の日本語教育に豊富な経験を持つ教師、各業種関係者がコンテンツを作成し、BPC研修サービスが編集・制作しています。まだ準備中のページもたくさんありますが、使っていただいて真のニーズを実感しながら作り続けていきたいと思います。ご質問、ご意見等、お気軽にお問い合わせください。 お問い合わせはこちら

 

SJ-NETのコンテンツ

●自習と行動のための日本語教材

日本語の自習と、日本語で行動をするための教材です。学習者が好きな(必要な)トピックを選んで一人で学ぶことができます。行動のための課題は周囲の日本語話者の協力を得て取り組みます。その人と親しくなるきっかけにもなります。教材は、トピックを単元として作成されており、次の3つのパートに分かれています。

 

INPUT & OUTPUT

トピックについて書かれた文を読んだり聞いたりします。そして、理解確認のクイズをします。一般的な読解問題や聴解問題と形式が似ているので、学習者が一人で学べます。次のことができるようになります。

1)そのトピックについて話すために必要な語彙や文法を学ぶ。

2)そのトピックについて話すための自然な文の流れを学ぶ。

3)そのトピックでよく使われる漢字を学ぶ。

4)長い文章を読んだり聞いたりすることに慣れる。

 

ACTION

トピックについて調べて報告したり、意見交換をしたりします。INPUT & OUTPUTで学んだことを使ってみます。

周囲の日本人に報告したり、意見交換をすることで、人間関係を作ったり、話す練習をすることができます。

近くに話す日本語話者がいない場合は、SJ-NETが見つけるお手伝いをします。詳しくはこちら

 

REFLECTION

取り組んだ学びや活動を振り返ります。

必要な語彙や表現をメモしておくと、必要になったときにすぐに見ることができ、学んだことが蓄積されていきます。

できなかったこと、できるようになりたいことを書いてみることで、日本語学習の計画を立てることができます。

 

トピックは「共通教材」と「業種別教材」に分かれています。

共通教材では、生活や仕事で誰もが必要なトピックを取り上げています。業種別教材では、自分の仕事で使う日本語を学ぶことができます。

 

日本語力との関係

学習者のみなさんは、自分の日本語力と関係なく、興味のあるトピックに取り組んでみてください。翻訳ソフトを使ってもかまいません。全部わからなくてもかまいません。新しいことばを使ってみるだけでもかまいません。日本語以外の言語を媒介語として使ってもかまいません。大切なのは、自分が関心のあるトピックを通して、周囲の人とコミュニケーションをしてみることです。

この教材は、日本語学習者の日本語力に合わせて使い方を変えることができます。例えば、A1レベルの学習者であれば、INPUT & OUTPUTに取り組むことで語彙や読むこと、聞くことに馴染むことができます。A2レベル以上の学習者であれば、理解と理解確認クイズは簡単かもしれませんが、ACTIONに備えて、自然な正確な使い方を確認しておくことができます。ACTIONでは、その時の日本語力に合わせて、または少しチャレンジして取り組んでください。

 

●SJ-NETのイメージ図

●日本語学習の捉え方

外国語学習には多様な方法があります。学習者によって好みのスタイルがあり、それに合わせて学ぶことは学習の継続につながります。一方で、苦手なことを克服するには、好みのスタイルとは違ったやり方に挑戦することも大切です。

日本語を使って仕事をしたり、生活をしたりするためには、実際に現場のコミュニケーションに参加することが一番の早道です。実際の課題達成のプロセスで周囲の人々と協働することにより、コミュニケーションが生まれます。これを促進するには、一般的な教科書による学習だけでなく、学習者個人の文脈での課題達成型の活動が役に立ちます。また、自分の気持ちや考えを伝えることができるようになることを目指す自己表現型の活動も役に立ちます。SJ-NETが提供する教材は、このような学び方の支援を目指しています。

 

●日本語教師のための情報

就労者に対する日本語教育に関心のある日本語教師、日本語支援者、企業関係者に役立つ情報を提供します。